北風ブログ-734

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2023/2/10 更新

評価−3

企業経営では、企業の根幹の4つの分野についてKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定しているようです。

・学習と成長の視点(従業員のスキルアップ) 

・顧客の視点(お客様の感じるロイヤリティー、品質)

・社内ビジネス・プロセスの視点(業務内容の質) 

・財務の視点(売り上げと利益)  

です。これらを病院経営について応用したいと考えております。以下、私が考える病院のKPIです。こちらでも企業経営と同じように4つの視点があります。

Ⅰ.学習と成長の視点(医療職・メディカルスタッフのスキルアップ) 

  1. 教育研修に病院がかけた費用
  2. 病院が主催・共催で開催した医療職・メディカルスタッフへの研修実施の回数、のべ参加人数
  3. 病院が主催・共催で開催した地域に向けた施設に対する医療職・メディカルスタッフ勉強会の実施
  4. 院内スタッフの学会に参加したのべ人数
  5. 院内スタッフの医師会主催・共催の研究会に参加したのべ人数
  6. 院内スタッフの学会発表、論文発表数
  7. 院内スタッフの学会からの受賞数
  8. 学会など認定専門医・認定看護師などの専門スタッフ数と率
  9. 上記以外の資格の取得
  10. 接遇指導に対する病院の負担した研修費
  11. 幹部に対する医療職・メディカルスタッフのスキルアップに関する提案件数
  12. 医師及びメディカルスタッフの離職数と率
  13. 医師及びメディカルスタッフの就職、転職希望のための問い合わせの数(直接訪問、WEB、電話・Fax・メール・手紙)
  14. ボランティアスタッフの数

Ⅱ.患者さんの視点(患者さんの感じる医療レベル) 

  1. 利用者(患者)の総合的な満足度
  2. 利用者(患者)の家族の満足度
  3. 地域開業医の満足度
  4. 医師治療についての満足度
  5. 看護師のケアに関する満足度
  6. 事務職員対応の満足度
  7. 紹介状を有する患者さんの外来受診・入院件数とその割合
  8. 逆紹介数
  9. 実習生受入数
  10. 新患者数、増加率
  11. 地域の市場シェア
  12. ER受入数/断り数
  13. 診療待ち時間
  14. 会計の待ち時間
  15. 利用者のQOL向上度
  16. クレーム件数
  17. 服薬、栄養指導の件数
  18. セカンドオピニオンの実施回数
  19. 利用者リピート率(回数)

Ⅲ.社内ビジネス・プロセスの視点(業務内容の質) 

  1. 職員の時間外勤務比率
  2. 医師の時間外勤務比率
  3. 看護師の時間外勤務比率
  4. コメディカルの時間外勤務比率
  5. アクシデント件数
  6. 褥瘡発生率
  7. ヒヤリハット件数
  8. 院内感染発生件数
  9. 合併症発生率
  10. 手術室の稼働時間
  11. 離職率
  12. 労働分配率
  13. 従業員満足度

Ⅳ.財務的視点(財務の視点、例えば使用総資本利益率など)

  1. 医業収益
  2. 診療単価
  3. キャッシュフローマージン
  4. 病床利用率
  5. 平均在院日数
  6. 病床回転率
  7. 医業収支比率
  8. 医師一人あたり医業収益(1年間)
  9. 人件費率
  10. 科別、部門別の原価率/医業収益(率)
  11. 疾病別の医業収益(率)
  12. 医薬品のデッドストック率

問題は、これらが良くなれば、病院の社会的な機能と病院自立が十分に果たせるか否かということです。大学入試で言えば、数学は微積分とベクトル、整数問題が東大合格には大事だと言っておいて、これらの勉強を完璧にしたのに東大に合格しなかったとしたら、KPIを決めた者の責任が問われることになります。

病院も普通にしていれば収益が上がるという時代は過ぎて、普通にしていれば赤字になってしまうという時代に突入しております。病院の院長や理事長は、経営を本気で考えないといけない時代になってきました。

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