北風ブログー738
2023/3/10更新
食欲ー1
ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンが主演した「Seven」という映画があります。これはキリスト教で定義されている「七つの大罪」をもとにして作られている映画です。これを罪の重い順に列記してみます。
1.嫉妬(ENVY):他人の幸福を妬み、他人の不幸を喜ぶ感情
2.高慢(PRIDE):過度に自惚れていること。美徳とされる「謙遜」の真逆の状態
3.怠惰(SLOTH):元々は安息日に関わらず労働を続けることを指していたが、現在では労働を放棄して怠けていることを指す。
4.憤怒(WRATH):人間の最もネガティブな感情のひとつ。怒りは理性を破壊し、魂の中に悪魔を迎え入れることだとされている。
5.強欲(GREED):金銀など財産に対しての異常な物欲。聖パウロは「一切の悪事の根なり」と説いたとされる。
6.肉欲(LUST):色欲、邪婬ともいう。子孫繁栄のためではなく、みだらに性的快楽に陥ることは禁忌とされる。
7.暴食(GLUTTONY):もしくは「大食」。節制のない食事は、欲望を助長させる根源となる。
実は仏教でも同じ7つの欲求があります。仏教では「睡眠欲」「食欲」「性欲」という人間の生理的な生きていく上で軸となる「三大欲求」に加えて、「生存欲」「怠惰欲」「歓楽欲」「承認欲」を加えた「七大欲求」が人間の陥りやすいものとして示されてきました。また「生存」「関係」「成長」を「三大欲求」とするアメリカの心理学者が提唱する、ERG理論という概念もあります。
まずは日本独自の表現とされる基本的な「三大欲求」である「睡眠欲」「食欲」「性欲」について考えてみます。睡眠とは眠ることは人間が生命を維持するために重要な要素の一つ。意志とは関係なく眠ってしまうこともあるので「欲求」には入らないのではないか、という考えもありますが、基本的で人間が意識しない欲求ですね。食欲とは食べるということも、生存していくため栄養を摂取する欠かせない行為です。恵まれた環境にいると、空腹を満たすためだけではなく、あれが食べたい、これが食べたいなど、美味しいものを食べたいというさらなる贅沢な欲求も生まれます。性欲とは子孫を残すために必要な動物の本能としての欲。男女によって欲求の大きさや、ピーク年齢なども異なるのが特徴的です。「性欲」に関わるホルモン分泌量の違いにより、一般的には男性の方が強い欲求を持つとされています。これは生殖行為・受精において男性が能動的で女性が受動的であることが関係すると思います。
このうち、食欲について少し考えてみたいと思います。