北風ブログー754
2023/6/30更新
病気ー5
ただ、私の血圧がそれまで全く正常だったかというと少し微妙でした。私の健康診断の血圧は、最近は収縮期血圧(上の血圧)が138mmHg, 拡張期血圧(下の血圧)は88mmHgです。これは、最近のガイドライン診断基準から言うと高血圧に分類されます。上の血圧が130mmHg未満であると正常血圧とされているからです。少し前の基準だと私の血圧は高血圧に分類されずに高血圧前症となります。でも、何回か日を変えて血圧を測定すると上の血圧が120mmHgの時もあり、150mmHgの時もあります。また、朝と昼間の仕事中と夜でかなり異なります。また、3回連続して血圧を測りますと、10mmHgは異なります。
国立循環器病研究センターのホームページによると「高血圧というのは、血圧が高いという病態です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いと言えますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合を言います。くり返しの測定において、診察室血圧で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90 mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。」とすると、私は降圧薬を飲むべきか飲まざるべきか、循環器専門医師の私でさえも悩むところなのです。結論から言うと、最高血圧が低く出る状態があるので、まだ大丈夫と考えて降圧薬は飲んでおりません。
ちなみに、私の心電図は全く問題なく、心臓超音波検査では、心臓の動き(収縮性、拡張性)や大きさは正常、血中BNP値は10以下と正常なので、高血圧に起因する病的な状態は何も出てきておりませんので、これも降圧薬を飲まない判断を下している理由となります。
そもそも、私の父親が50歳ぐらいの時、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg前後で、心電図に少し異常があるので、神戸大学医学部から嘱託で来ていた会社の循環器医師にかかっていたそうです。その時には、私の父親は血圧の薬をその先生からいただいて服薬していた記憶がありますが、途中から服薬をやめていたようです。そのせいかどうかはわかりませんが、80歳ぐらいのときに閉塞性動脈硬化症で手術、最近は腕頭動脈瘤でステントグラフト手術をしておりますので、高血圧が微妙に高かったというのが関係しているかもしれません。でも、94歳の今も元気に過ごしております。
その家族歴から考えると、そろそろ降圧薬を私も服用したほうがいいのかもしれません。でも、もし上記のような患者さんが私の前に現れたら、今のガイドラインから考えて高血圧になるので、「肥満や運動不足、過食、塩分制限など心がけましょう」「それでも正常血圧に軽い薬から始めましょう」というように思います。いやー、高血圧は奥が深いです。