北風ブログー756
2023/7/14更新
ひまわりー2
ヒマワリといえば、まず思い出すのがゴッホです。ゴッホの『ひまわり』の絵はあまりにも有名ですが、実は7枚あります。その『ひまわり』シリーズはゴーギャンとの共同生活の際、部屋に飾る装飾画として描いたのが始まりでした。ゴッホの代表作である『ひまわり』シリーズは大きく2種類に分かれています。明るいヒマワリと暗いヒマワリで、ゴッホの精神状態を示しているといわれております。
多くの人がイメージするゴッホの『ひまわり』は花瓶に活けられている作品ですが、初期に製作されたシリーズは弟と住んでいた時期パリで描かれたものであり、土の上に寂しげに置かれたひまわりを描いたものでした。これに対して、ゴッホがアルル滞在時に製作された作品が後期の花瓶に生けられたものです。世界的に有名なのはこちらのほうです。後期に描かれた『ひまわり』は、すべて花瓶に生けられています。前期に描かれたひまわりが悲観的に横たわっていたのに比べると、後期の作品は明るい印象を与えます。あの明るいさんさんとしたヒマワリを題材にした絵で悲観的な情緒を生み出すというのもゴッホならではです。
南フランス・アルルに移り住んだゴッホは、アルルの土地の明るい雰囲気を大変気に入りました。そして、「黄色い家」という愛称で呼ばれていた借家を共同のアトリエにしてパリで知り合った画家たちに集まってもらおうと思います。そうしてゴッホは弟・テオを通して何人かの画家に手紙を送りましたが、結局この案に良い返事をくれたのはゴーギャンだけでした。1888年、ゴッホは「黄色い家」で画家・ゴーギャンと共同生活を始めます。『ひまわり』はそんなゴーギャンとの共同生活に向けて、彼を歓迎するために描かれた作品でした。でも、ゴーギャンとの共同生活は2カ月で終止符を打ち、その1週間後、驚愕の事件が起こりました。憤慨したゴッホは、ゴーギャンに馬鹿にされた自分の左耳を剃刀で切り落としたのです。この事件はこれだけでは終わりません。意識が朦朧とする中、ゴッホは切り落とした耳たぶの一部を近所に住む主婦に送るという異常な行動に走り、ほどなくゴッホは拳銃自殺したのです。
<写真1:ゴッホのひまわり>→
ゴッホの7枚のヒマワリの絵のうち、最後に描かれたものが写真1です。これは、私が学会でフィラデルフィアに行ったとき、滞在したホテルの近くにあったフィラデルフィア美術館で写真に撮ったものです。海外の美術館は多くの作品を写真にとることを許可しております。特に最近はフラッシュをたかずとも写真が取れるので絵が痛まないからです。フィラデルフィア美術館の右横には、写真2の銅像があります。いわずと知れたシルベスター・スタローン演じるロッキーです。ロッキーは架空の人物ですが、そのモデルになったボクサーがいてその方の逸話を映画化したのが『ロッキー』です。『ロッキー』シリーズは8作あり、シルベスター・スタローンを世に出した作品たちでどれも名作ですが、私は一番素朴な第一話のエイドリアンとの出会いを描いたのが一番好きですね。
<写真2:ロッキーの銅像>→
それとヒマワリで思いだすのは『ひまわり』という映画ですね。第2次世界大戦によって引き裂かれた男女の話です。燦燦と輝くヒマワリとは程遠い内容です。主演は、ご存じイタリアを代表するソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニですが、映画好きでないと知らないかもしれませんね。第2次世界大戦下、ジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は結婚しますが、幸せもつかの間、アントニオはソ連戦線へ送られてしまいます。終戦後も戻らない夫の行方を追ってジョバンナはソ連へ向かい、アントニオの居所を探し当てますが、戦場で遭難した彼は、記憶喪失となり美しいソ連の娘に助けられ彼女と結婚し、子どもも生まれており……。結末を書いてしまうネタバレは映画ファンの中では禁止ですのであとは皆さんNETFLIXかPRIME VIDEOでみてください。
ああ、でもいやですね、戦争は。映画は、終わり良ければ総て良しで終わってほしいものです。あ、これネタバレか!?