北風ブログー780
2023/12/29更新
病気―23
これまでの江頭さんに対する治療体験をもとにして、私、医療とは何か考えました。哲学的にはなるのですが、いい医療というのは、いい情報を発信してくれる医療関係者と密接にお付き合いをすることではないか、と。キーワードは「上質の医療情報」と「気の合うinformant(情報提供者)」です。もちろん、患者さんがきっちりとした治療をしてくれる病院を選び、しかもその病院の医療関係者は、医学会や厚生労働省によってきっちりと教育をされているべきです。医師に対してガイドラインや薬剤添付文書を用いて医者を生涯教育していることはとても大事です。
とでも、単に医療情報を発信するだけでなく、いろいろな気付きを与えてくれ、ナッジ効果やピグマリオン効果、プラセボ効果を最大限にすることが大切だということですから、手作り感満載の医療ですよね、それが大切なのです。でも、実際そのようなことができるのか? 3分診療とか5分診療とか言われている中で、一人の開業医の先生が一日に数十人の患者さんを診察するという保険診療内での実行はかなり難しいです。
「気の合うinformant(情報提供者)」を見つけるのに一番簡単な方法は、レベルの高くかつ自分と気の合う医師と友達になることです。でも、その医師は、単に遊び友達ではだめです。その医師と付き合っている時は、自分の体のことを考えてくれないと意味がありません。そのようなシステムを作ることが大切なので、具体的にそのような動きができないか考えてみたいところです。ある医師が、最高の医療水準の高い国を作ろうと思えば、国民全員が医師になることだ、といいました。もちろん国の成り立ちとして全員が医者になったら産業が成り立たないので無理ですが、ある意味の極論としてそのとおりでしょうね。
「上質の医療情報」は、ナッジを最大化します。ナッジを最大にするためには、自分がどのような病気になるのか、それを知ることが大切です。自分が10年後に心筋梗塞になるとわかっていたら、それを回避するために努力をするはずです。それが「最高の上質な医療情報」です。実際、アメリカのある有名な女優さんの例があります。ご自分の遺伝子検査をしたところ、乳がんの発症に関係した遺伝子を保有しているということがわかりました。何年か先に87%の確率で乳がんが発症するとのデータから、いま全く健康な乳房を切除してしまいました。究極のナッジです。これは極端な例ですが、このような病気の将来発症予測も私たち、研究レベルで行っております。興味のある方は、https://laif-osaka.com/ を訪問なさってみてください。「上質の医療情報」と「気の合うinformant(情報提供者)」を見つけることがキーワードです。
今年も残り少なくなりました。このブログにお付き合いいただき深く感謝いたします。皆様方、よいお年をお迎えになられますこと心より祈念いたします。ありがとうございました。。