北風ブログー776

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2023/12/1更新

病気―19

なぜ、この江頭さんは高血圧があるにもかかわらず、天寿を全うできるだけのご長寿でありえたのか、不思議ですよね。少しその点を深堀りしてみたいと思います。


日本人の死因を考えたときに、江頭さんのご長命について一番大切なことは、江頭さんは一度もがんにかからなかったことです。日本人の50%はがんで亡くなります。ですから、江頭さんが一度もがんにならなかったことは、江頭さんの長命に大きく貢献しております。がんと高血圧は基本的に大きな関係はありません。すべての論文を調べたわけでなないですが、高血圧があるからといって、がんが起こりやすいというデータはないかと思います。実はがんの大きなリスクファクターは、糖尿病なのです。生活習慣では、がんにはタバコと野菜不足が関係します。高血圧の大きな原因となる塩分過多は一般的にがんのリスクにはなりません。


江頭さんは、芦屋のマダムらしく小柄ながらスタイリッシュでスレンダーな体型をされておられます。身長150cmぐらいで体重は42kgぐらいだったと記憶しております。もちろん糖尿病はありませんし、タバコは吸われません。これらががんになりにくかった理由でしょうね。


一方、日本人の死因は、がんが一番ですが、二番は江頭さんのかかられた急性心筋梗塞などの心疾患です。心疾患の大きな危険因子は、高血圧とタバコ、糖尿病、肥満、脂質異常症です。江頭さんは、先ほど言いましたようにタバコも吸いませんし、糖尿病も脂質異常症もありませんし、とてもスリムです。悪玉(LDL)コレステロールは低く、善玉(HDL)コレステロールは十分に高いのです。LDL/HDLが2を超えると動脈硬化が進展すると言われていますが、江頭さんはLDL/HDLは1.5でした。つまり、動脈硬化は大変起こりにくい状態だったことがわかります。確かに高血圧は血管に負担をかけて動脈硬化を起こしやすいのですが、動脈硬化は高血圧のみで生じることではありません。血管に対する障害は、糖尿病による酸化ストレス、高血圧によるシェアストレス、タバコによるニコチンを代表とする化学的ストレスの合わせ技なのですが、そのうち、江頭さんは高血圧だけがあるというだけで、他はとても健康優良だったということです。一方、日本人の死因は、がんが一番ですが、二番は江頭さんのかかられた急性心筋梗塞などの心疾患です。心疾患の大きな危険因子は、高血圧とタバコ、糖尿病、肥満、脂質異常症です。江頭さんは、先ほど言いましたようにタバコも吸いませんし、糖尿病も脂質異常症もありませんし、とてもスリムです。悪玉(LDL)コレステロールは低く、善玉(HDL)コレステロールは十分に高いのです。LDL/HDLが2を超えると動脈硬化が進展すると言われていますが、江頭さんはLDL/HDLは1.5でした。つまり、動脈硬化は大変起こりにくい状態だったことがわかります。確かに高血圧は血管に負担をかけて動脈硬化を起こしやすいのですが、動脈硬化は高血圧のみで生じることではありません。血管に対する障害は、糖尿病による酸化ストレス、高血圧によるシェアストレス、タバコによるニコチンを代表とする化学的ストレスの合わせ技なのですが、そのうち、江頭さんは高血圧だけがあるというだけで、他はとても健康優良だったということです。


さらに、心疾患による死亡はがんによる死亡の約半分なのです。ですので、死亡という観点から言うと江頭さんががんになりにくい状態であったことがよかったのでしょうね。さらに、死亡率の第3位は、脳卒中から老衰となりました。脳卒中が減少してきたのは、日本人の健康状態がよくなり、血管が破れにくくなってきたことと関係します。脳卒中は、脳梗塞と脳出血に2分され、以前は脳出血がメインでしたが、いまは脳梗塞が主流です。そして、脳梗塞は脂質異常症が大きな原因になってきており、高血圧はあまり関係しないのです。


また、老衰は江頭さんからは程遠い言葉です。とてもお元気なお年寄りで90歳でも阪急電車に乗り、梅田経由で北千里まで通われていました。とてもお元気なご老人だったのです。


でも、江頭さんが「治療抵抗性高血圧」ではなく「対治療抵抗性高血圧」があるのにも関わらず、また、血圧が長らく高かったにもかかわらず長生きできた理由は別にあると私は考えております。次回にそれについて記載いたしますが、それが私は医学・医療の本質ではないかと思っております。



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