北風ブログー765
2023/9/15更新
病気―9
欧米では、社会的には右を優位なものと考えております。それは宗教からも読み取れます。アメリカの人口の約半数、ヨーロッパの人口の75%が信仰しているのがキリスト教です。イエス・キリストは西暦30年4月7日に処刑されたことから、これがGood Fridayの語源になりましたし、その3日後に復活したことからイースター祭が執り行われるようになったことは有名です。
余談ですがイースター祭はアメリカで普通に行われているお祭りで、キリスト教圏の国ではハロウィンやクリスマスと同じくらい大事なイベントです。卵やウサギをモチーフにしたイースター料理を作ったり、町中に隠した卵を探し当てるエッグハントなどをしたりしてキリストの復活を祝います。イースターのシンボルと言えば「卵」と「うさぎ」。卵は生命の始まりや復活の象徴、うさぎは子孫繁栄の象徴と考えられていることからイースターのシンボルになったのだそうです。私がアメリカ留学中にもイースターの時には、近所の方々といろいろなところに隠した卵を探すゲームなどをしていたのを覚えております。日本にもいつの日か入ってくるのでしょうか?4月のはじめなので、入学式や花見などの行事と重なるのではやらないのかもしれませんね。
さて、その3日後の復活の時に、イエス・キリストは「神の右側に座った」とされています。余談ですが、英語のGoodはGodから派生した英語です。Good Fridayは、本当はGod’s Fridayだったのです。そう言えば、英語圏の食事の時に、手で十字を切って「アーメン」とお祈りを捧げますが、十字を宙に画くとき必ず右手で十字を切ります。やはり、キリスト圏では右が優位なのですね。
さらに、右を英語でいうとrightですが、rightには正しいという意味や権利という意味を持たせていますよね。聖書にも
「知恵ある者の心は右に向き、愚かな者の心は左に向く。」(伝道者の書10:2)と書かれています。つまり、右が善なのです。知恵があり、心が右側にある人は正しい人ということなのですね。左右をむつかしい言葉で言うと、dexterとsinisterであることは、大学受験英語で習うのですが、このdexterには「器用な」という別の意味があり、sinisterという単語は「不吉な」という意味があります。さらに、左を意味するleftには「残り物」というマイナスの意味があるので、やはり「右がいいもの、左はわるいもの」と言えますよね。
ちなみに残り物は、left overと言います。やはりleftにはあまりいい意味がないですね。