北風ブログー795

2024/4/12更新

2024年度看護学校入学式の言葉

2024年度看護学校入学式の言葉


図にのって入学式の原稿も披露します。すこし、卒業式と被りますが、全く同じにするといけないので後半を変えています。 皆さん、この度は看護学校ご入学おめでとうございます。私は医務局長として、この特別な日に皆さんとともにお祝いできることを誇りに思います。新入学生の皆さんがこの重要なこの日を一緒に祝えることが、私たちの医療法人にとっても大変嬉しい瞬間です。


さて、皆さん方は、今回看護学校入学して、いろいろな目標を設定されているかと思います。看護に関する勉強を精一杯しよう、友達をたくさん作って楽しい学校生活を送ろう、学校生活ではなくボランティアなど社会貢献を通して社会勉強をしたい、などいろいろあるかと思います。でも、看護学校への入学にあたって大事なことは実は目標ではありません。皆さんにとって最も大切のことは、看護学校に入った目的です。なぜ、私はなぜ看護師になりたいのか、それを今一度ご自身に問いかけることです。その目的に向けてご自分の目標を設定していくことが大切なのです。


ここで、その看護師としての目的を考えるうえでヒントを考えてみたいと思います。まず、第一に、皆さん方の錦秀会の看護学校に入られた目的の一つに、豊かな人間性の醸成を掲げてください。実は、あの大谷翔平選手が心酔している哲学者に中村天風や安岡正篤（まさひろ）氏がいます。彼らは、明治、大正、昭和の政治家の指南役なのですが、かれらは異口同音に人間性の向上を目指すべきであると説いています。私も、医師としての究極の目的は人間性の向上だろうと思いますし、それを大谷翔平選手は野球人として実践されています。皆さん方も看護学校入学の目的の一つとして高い人間力を掲げていただきたいのです。


もう一つは知識の広がりを目的としてください。その安岡氏が、人生生きていくうえで大事なことは、知識、見識、胆識であるといっています。先人の残した後を追う知識、それを社会で役立つように工夫する見識、さらに胆力をもって自分の得た見識を広げていく胆識。


まず、皆さんは、知識と見識をこの看護学校入学の目的に挙げていただきたいのです。多くの皆さんは、小学、中学、高校と学校教育を受けてこられたと思います。皆さんが今まで受けてこられたのは、学校教育です。それは大きくは、教養教育、情操教育、実学教育です。現代国語や社会、理科などは教養教育です。情操教育は、音楽や美術、古典や漢文です。実学教育は、英語、技術・家庭科、保健体育ですかね。少し脱線しますが、数学はどこに分類されるか。数学は実学かというと、実学というわりにスーパーの計算では微分や積分は要りません。数学は、問題解決にいかにアプローチするのかの訓練です。さらに、今のAIでわかりますように、数学がまさしく実学教育になっていますよね。


これに対して、看護学校での勉強は、職業教育です。私が卒業した医学部もそうですが、医師や看護師になるためには、職業教育を受ける必要があります。でも、そのときに、従来の教養教育、情操教育、実学教育が不要かというとそうではありませよね。ぜひ、看護学校での勉強のみならず、いろいろな勉強をしてください。ぜひ、吐き気がするほど勉強してください。


でも、吐き気がするほど勉強したら、ぜひ思い切り遊んでください。友達と徹夜して人生や世界について議論したこともありますし、ぜひ、見分を高めるために旅行や美術館、博物館に出かけてください。それらはすべて皆さんが素晴らしい看護師さんになるために目的に合致した行動なのです。 今日の入学式はあくまで新たなスタート地点でもあります。これからは看護学の授業と実習が始まります。その中で、いろいろな困難に立ち向かいますが、そのときにぜひ仲間と連携し、経験から学び、自らを磨いてください。


最後に、ご家族の皆様、ぜひ、この入生の看護学校生活をサポートしてあげていただきたい。それが、皆さん方の家庭教育の最終ゴールとなりますし、ひいては日本の医療に大きく貢献することになります。あなた方のサポートは不可欠です。そして、私たちも引き続き皆さんのお子様を支え、成長の場を提供していきます。


入学生の皆さん、おめでとうございます。これからも精進を重ね、素晴らしい看護師となるためのキャリアを築いていってください。ありがとうございました。